こころの地図1
ボクは十数年間、自転車で日本を巡りました。その折、先々の土地の神さまたちにご挨拶をさせていただきました。その数、有名無名をあわせると千社は超えています。
それらの多くの神さまは海を望んでいたり、育む土地をご覧になっています。
関東の有名どころで言えば「鶴岡八幡宮」は由比ヶ浜に向かって一直線に若宮大路が延びています。まるで、海からの恵みを迎え入れるように。そして、大路の両側には恵みを受けて栄える街が広がっていて、人の営みがあります。
神倉神社の御神体が鎮座されている場所からは、古代から神さまに守られてきた街並みを見ることができました。
こころの地図

神倉神社から新宮市の街並みを望む

神倉神社(かみくらじんじゃ)は熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)の一山である熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)の摂社。和歌山県新宮市内最高峰「千穂ヶ峰」の東南端にある「神倉山」の頂上付近(標高120m)の断崖絶壁上に鎮座している。御神体はゴトビキ岩(ゴトビキとは新宮地方の方言でヒキガエル)と呼ばれる巨岩。山上へは、源頼朝が寄進したと伝えられる急勾配の鎌倉積みの石段538段に這いつくばるようにして、息も絶え絶えに登ることになるが、そこから望む景観は絶景である。

(ようげん寺報 2018年12月15日発行 第13巻 第6号掲載)
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