いつか会える日

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記念写真

 先日、養源寺の万灯講「光遊会」の、一年間の活動をしめくくる慰労会がありました。いつもお世話になっている近隣講中の代表者も参加してくださり、大人と子供七十名ほどの、それは賑やかな会でしたが、最後に記念撮影をしたところ、写っている一人一人の表情がそれはそれは素晴しいのに驚いてしまいました。
 お会式の行事はもちろんですが、正月の餅つきから始まって、節分、花まつり、あじさいまつり、夏休み子供フェスティバル、盆踊り、バザーなど、寺の年間行事はみんなこの仲間たちによって支えられているのですが、そうした中、最近の私のたのしみは、一つの行事の終わりに、あるいはお会式のお参りの後に、大人も子供も一緒になってささやかな打上げをする時の様子を見ていることで、仕事も生活環境も性格もそれぞれながら、和気あいあいで談笑している姿や、学校も学年も異なる子供たちが一団となって境内を走りまわったり、頭をまん中に寄せ合い、足を花びらのように開いてゲームに興じている姿などは、見ているだけで暑さも疲れも忘れてしまいます。盆踊りの時は、この子供たちにもそれぞれゲームコーナーが任され、同じ年格好の子供たちを相手に持ち場を切り盛りするのですが、中にはそれは見事な客さばきをする子供がいたりして驚かされることもあります。
 養源寺の万灯講が誕生したのが平成七年。纏も万灯もない、鉦と太鼓だけの講中でした。それから二十年、こうした、人と人とが作り出す、どこの講中にも負けない魅力的な空間がこの寺に育ってきてくれたことを、ほんとうにうれしく思います。
 こうした「会」「講中」は、それ自体が生きもので、そこに今参加している人々の、その時々の気持によって、どのようにも変わっていきます。そうした危うさや、それゆえのたのしさを二十年、皆で自然に学び合いながら、もっといい会にしたいと常に願ってきたその結果が、今回の記念写真に表れたのかも知れません。 

(ようげん寺報 2015年12月15日発行 第10巻 第6号掲載)
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